「環境問題、今昔」への改訂(江頭教授)
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昨日の記事「環境問題、今昔」ですが、読んでいて「あれっ」と思った方もいたかもしれません。じつはこの記事、ずいぶん昔(2010年ころです)にある学会誌に書いた記事を元にしていたのです。文体をブログ向きに直して、あと「自分が学生だったころ」の部分の○○年前をボロが出ない程度に修正しています。
さて、もとは15年前の文章ですが、内容の大部分が思い出話なのでそんなに不自然ではなさそう。でも、「人口爆発」についての記述である「日本の国土に一億2千7百万人が適正か」の部分は、今なら「一億2千3百万人」と書くところでしょうね。
それに「2008年の石油価格高騰」という書き方にも「なにそれ?」となった人が居るのでは。2008年はリーマンショックの年として記憶されていますが、ショックが起こる前は未曾有の好景気で、それに伴って石油価格も高騰していたのです。リーマンショックによって原油価格が下落したタイミングでこの記事が書かれているので「2008年の石油価格高騰」という表現になっています。でも、原油価格はショックの影響から回復した後の2012,3年辺りもかなり高かった。なので、今なら「2010年代前半の石油価格高騰」などと書くべきかもしれません。
グラフは「世界史のネタ帳」より
もっとも、この15年前の文章で一番訂正が必要なのはこの部分でしょう。
今では核戦争を差し迫った「問題」と感じている人は少ないのでは。
言うまでもなく、2025年の今、実際に戦争をしている核保有国が(数え方によっては複数)ある、という現実。これを考えると核戦争を差し迫った問題ではない、とは言い切れないでしょう。
15年前の私には核戦争の危険が見えていなかったのか。それとも冷戦期の核戦争への恐怖があまりに大きなストレスだったため、それが「軽減された」だけの現実を完全解決と錯覚してしまったのか。
残念なことに15年の間、私達が単純に前進しつづけていた訳ではないのは明かですね。
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