ロシアとウクライナの戦争はまだ続いている(江頭教授)
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NHKで放送されている「連続テレビ小説」、いわゆる「朝ドラ」は1961年から放送が続いているのだとか。私の生まれが1962年ですから、私はずっと「朝ドラ」のある世界を生きてきた、ということになります。最近はあまり意識したこともなく、当然視聴してもいないのですが、私が子供の頃、朝には時計代わりにテレビが付けられていたので、なんとなく「朝ドラ」を見ていた記憶があります。そのころの朝ドラには昭和の「女の一生」といった内容のものが多く、そのなかでかならずあったのが「戦争」の描写でした。
戦争の描写といっても別に戦争映画のような派手な戦闘の描写はありません。せいぜい資料映像が挟まれる程度。その代わりに描かれていたのは国内で広がる自由に発言できないような重苦しい雰囲気、それに次第に深刻化する物資不足でした。そして昭和20年8月の終戦の描写が続きます。戦争に「負けた」ことによる負の感情はもちろんとして、戦争が「長い長い戦争が終わった」ことによる開放感のようなものが描かれていた、なんとなくそのように記憶しています。
さて、ドラマで描かれたこの終戦ですが、後に太平洋戦争が1941年12月にはじまり、1945年の8月の終戦まで3年9ヶ月、約4年間だったことに思い至ったとき「いや、意外と短いのでは?」などと思ったものでした。
延々と思い出を書き連ねてきたのですが、ここでタイトルを回収しましょう。今日は2025年最後の日。今年の大きなニュースは何か、などと考えていたとき
ロシアとウクライナの戦争が終われば、それが最大のニュースになるのに。
などと思ったのです。ロシアによるウクライナ侵攻は2022年の2月でした。それから約4年。つまりロシアとウクライナの戦争は太平洋戦争より長い戦争になることが確定しているのです。
戦争の「4年間」が長いのか短いのか、人それぞれの考えがあるでしょう。しかし、ロシアとウクライナの戦争が今も続いているという事実は世界に不可逆な変化をもたらしていると私は考えています。この戦争の前にはグローバリズム、つまり「世界の最適な場所で最適な生産を行って地球の資源を効率的に利用すること」によるサステイナブル社会の実現が多くの人にとって現実的な未来とみられていたのではないでしょうか。
しかしこの戦争のために「世界の最適な場所で最適な生産を行う」ことの前提、つまり世界の国々の間の信頼関係が壊れてしまった。サステイナブル社会が必ずしもグローバリズムを必要としているわけではありません。地産地消ベースのサステイナブル社会もあり得ます。しかし、この戦争の4年間が、一つの可能性としてのグローバリズムベースのサステイナブル社会を大きく毀損してしまったことは、残念ながら認めざるを得ないでしょう。
PS: 太平洋戦争は確かに4年間ですが、日本で「先の戦争」というなら日中戦争から考えるべきなのでは、という考え方もあるでしょう。1937年の盧溝橋事件からカウントすると約8年間です。もっともロシアとウクライナの戦争をクリミア併合からカウントすればこちらは10年を越えています。
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