ホワイトカラーとブルーカラーって?(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
「アメリカではAIの影響でホワイトカラーの仕事が減って人余りに。そのためブルーカラーの方が稼げる仕事になっていると噂されている。」という趣旨の記事がネットに上がっていました。敢えて著者名や元記事を示しませんが、そのなかでブルーカラーの仕事として一番に挙げられていたのがEV用の蓄電池プラントで自動化ラインを保守する仕事でした。
いや、それってかなり専門性の高い仕事なのでは。っていうか、いままではそんなトップエンジニアでも給料が低かったの?
なんか変だなあ。この記事を書いている人(日本人ですが米国の事情に詳しい人らしい)が考えているホワイトカラーとブルーカラーの意味が、私が考えている定義とは違うのでは。
そもそも、私自身は「ホワイトカラー」とか「ブルーカラー」という言葉を普段から使っていないのです。ですからずっと以前にこの言葉を知ったときのイメージをそのまま持ち続けているのかも知れません。
私がイメージするブルーカラーというのは「組立作業を行う工場で単純作業を黙々とこなす労働者」です。こういう言い方で分かるかどうか心許ないのですが、チャップリンの映画「モダンタイムズ」に出てくる労働者、でしょうか。ベルトコンベアーに載せられた部品の決められたネジを締める作業を来る日も来る日もひたすら続けている、というイメージです。
もちろん、現在の工場にそんな仕事はありません。大規模生産を行う工場では単純作業は機械化(というかロボット化)されていて、手作業で作られるのは高付加価値な試作品生産などに限られています。同じ作業を続けていれば良いわけではありません。次から次へと新しい作業をこなしてゆく必要があるのです。つまり、私のイメージするようなブルーカラーの仕事、というのはすでに世の中からなくなって、おっと、これは言い過ぎかも。すでに先進国からはなくなっているのです。
では件の記事を書いた人が考えている「ブルーカラー」というのは……どうも英語で「blue-color worker」というと「工場労働者」と「肉体労働者」という意味があるようです。それこそチャップリンの時代なら両者は同じ概念だったのかもしれません。しかしアメリカにおいても「肉体労働者」はロボットに置き換えられているはずで、残った「工場労働者」にはそれなりの知識と技能が求められているはずです。
この話はホワイトカラーに注目した方が理解しやすいのではないでしょうか。ブルーカラーの仕事はロボット導入によって、ずっと以前に単純な肉体労働、キツけれども頭を使わなくて済む仕事、がなくなってしまった。AIの導入が進んだことによって、同じことがホワイトカラーの仕事にも起こっているということです。
はっきり言いましょう。いまAIの導入でなくなりつつある仕事というのは単純な「頭脳労働」である。つまりキツいけれども「頭を使わなくて済む」「頭脳労働」なのだ。いや、「頭を使わない頭脳労働」ってなんやねん、という話なのですが、それこそがAIで入れ換え可能なタイプの頭脳労働、ということだと思うのです。
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