人が死亡する確率は100%ですが(江頭教授)
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先の一酸化炭素中毒についての記事で、一酸化炭素中毒による死亡率のデータを紹介したので、今回はこの「死亡率」について少し説明しておきましょう。
「死亡率」と言われると、なんとなく「死亡する確率」の様な気がしますよね。なら100%に決まっているのでは。だって人は必ず死ぬのですから。でも人が必ず死ぬとしてもその死因はいろいろ。ならば「死因ごとにどのくらいの確率で死亡するのか」が「死亡率」なのでしょうか。で、全ての死因を足すと100%になるのでしょうか。
そう思って「一酸化炭素中毒による死亡率が0.5から7.0の範囲」などというデータを見ると、「えっ、そんなに大きいの」とか「いや、その前に%が付いてないのはなぜ」などと思ってしまいます。これはちゃんと定義を確かめないと。
一般的な定義では「人口10万人あたり1年間での死亡数」となっているようです。
まず、なんで10万人当たり、なのでしょうか。人の死因は多岐にわたっていていろいろな原因があるでしょう。ある程度の規模の人数を対象にしないと「死亡率」の数値が小さくなりすぎて取扱が困難になる。つまり以下の様な感じ。
「○○による死亡率は0.00001くらいだろう」「何を言ってるのだ、0.000001程度くらいだろう」「そうかなあ、やっぱり0.0000001はいくら何でも、おっと失礼、0.000001だったね、それにしたって……」
鬱陶しいわ! まあ、これを防ぐために、この「人口10万人あたり」という定義が用いられるのでしょう。
仮に人の死因が老衰のみで寿命が100年、そして、10万人の人口に年齢毎の差がない(つまり1歳から100歳の人が1000人ずつの集団)、とすると1年間の全ての死因(ここでは老衰のみですが)による「死亡率」の総和は1000になります。値の分布にもよりますが、これなら上位の10位から100位くらいの死因については1桁程度の値で取り扱えるのではないでしょうか。
さて、もう一つ気になるのは「1年間での死亡数」となっているところ。これを考えると「死亡率」ではなくて「年間死亡率」と書くのが相応しい表現のような気もします。数値も単位をつければ「7.0人」とかではなく「7.0人/年」とか書くべきですよね。いや、もっと言うと単位が「人/年」なら、これは「死亡速度」と書くべきなようにも思いますが、皆さんはどう思われますか。
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