シリカゲルとデシケーター(江頭教授)
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ここでいう「シリカゲル」は乾燥剤としてのシリカゲルのことです。これについては前回の記事で紹介しましたね。その中でも少し触れましたが、化学の実験室では「デシケーター」という、サンプルを乾燥させるための容器を使用します。その乾燥状態を維持するために「シリカゲル」がよく用いられるのです。
最近はプラスチック製のデシケーターもよく用いられているようですが、昔はガラス製のものが普通でした。図の様にガラス製の容器の下に空間があって、ここに乾燥剤としてシリカゲルをいれます。フタは摺り合わせになっていて、グリースなどを薄く塗って密閉性を高めています。
密閉された容器の中に乾燥剤。なかの空気はよく乾燥した状態になります。湿度を嫌うサンプルの保存や、サンプルの乾燥状態を保つのに便利、というか必要な器具です。
例えば、分析化学における「恒量」という操作では、サンプルを加熱処理した後で冷却し、その重さを正確に測る、という操作を複数回くり返します。複数回測っても重さが変化しない、ということで加熱処理によるサンプルの変化が完了したことを確認するのですね。ここでサンプルを普通に大気中に置いて冷やす、というわけにはいきません。大気中の湿度によってサンプルに水が吸着すると誤差の元になります。このようなケースではデシケーターが重宝されるのです。
さて、このデシケーターについて、私は個人的にちょっとした思い出があるのです。
私が学生だったか、助手(いまで言う助教です)になってすぐのころ、研究室の皆と片付けをしていて、このガラス製のデシケーターを少し高い棚の上に載せようとしたときのことです。デシケーターは大きなガラスのかたまりですから結構な重さ。ヨイショ、とばかりに持ち上げたら棚にぶつかってしまいました。あろうことかこのガラスのかたまり、私の手の中でバラバラに割れて、私は手のひらに傷を負って出血してしまったのです。
一緒に片付けをしていた後輩の一人が、それに気が付いて大声をだしました。
江頭さん、大丈夫ですか?!
ここで閃いたんですよね。絶対受けるって。
ダメだ!もう死ぬ!!
で、室内爆笑。してやったり。思った通りバカ受けだ。
そのときはそう思ったのですが、後から思い返すとどこに笑いの要素があったのか、全然分からないのです。いや、ケガした人間を笑うって、みんなひどくない?
ケガをしたショックで自分が変なことを考えた、というなら分かります。というか、有りそうな話かも。でも、なんで皆が爆笑したのでしょうか。私の言い方に釣られたんだろうか。よく分からないのですが、これは不思議と今でも思い出すような、そんな会心のギャグのひとつなのです。(この話、残念ですがオチは付きません。)





