世界の物価動向(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
ここ最近、2022年以降の物価上昇について紹介しているのですが、今回は世界の動向について見てみましょう。以前も紹介した Our World in Data というサイトのデータ(世界銀行のデータをIMFがまとめたもの)を利用しましょう。このデータは2010年を100としているのでグラフの横軸も2010年からスタートとしましょう。たくさんの国のデータがあるのですが、まずはアメリカ合衆国(図では United States ですね)とEU代表としてドイツ( 同じく Germany )をグラフに表示してみました。
アメリカとドイツのグラフ、データの絶対値は少し違いますが形はよく似ています。そして日本の形とはかなり異なっています。
まず、日本の物価上昇が始まった2022年とそれ以前(2021)とを分けて考えましょう。2021年以前の日本は、2014年のちょっとした上昇を除いてほとんど変化がありません。(ちなみに2014年は消費税増税があった年です。)その一方で、同期間のアメリカ、ドイツの物価はゆっくりと(年率1%~2%くらい)ではありますが増加を続けています。
その後の経過は日本と似ていて、急速な上昇に転じています。アメリカ、ドイツともに物価の上昇は2021年にはスタートしており、さらにいえばその上昇幅がかなり大きい。実際2022年の指数は日本では2020年比で2.2%増であったのに対し、ドイツでは10%増、アメリカでは13%増と著しく大きいのです。
おそらくアメリカやドイツの人々の生活実感としては
2021年から2022年にかけてものすごく物価が上がった。いまは落ち着いてきたがそれでも上がり続けている。もう昔には戻らないだろうか。
いや、最後の一文は私の勝手な感想ですけどね。
でも、これは私達日本人の感覚とはズレているのでは。私達としては
2022年に物価が上がり始めて驚いた。いつまでも安定する気配もなく上がり続けている
といったところでしょうか。
物価の上がり幅から言えば日本の方が小さいのですが、「極端に上がって、少し安定」なアメリカ、ドイツにくらべて「ずるずる上がり続ける」日本のほうがなんかダメージがでかいような。(いや、アメリカやドイツの人には怒られるかな。)
さて、以前から言っていますが私は経済の専門家ではありませんから、この物価高の動向の違いについて、その原因を特定したり将来動向を予測したりできる能力はありません。その前提で敢えて自分の感想を述べるなら「日本はアメリカやドイツで起こった様な急激な価格上昇のショックを企業努力で一時的に緩和した(価格転嫁できなかった、とも言う)ものの、徐々にその影響を受け止めきれなくなっている」というところです。そして「一旦、世の中が値上げを容認するようになれば30年続いたデフレ経済がいよいよ終わるかもしれない。」などと考えるのです。
PS:私自身の立場からインフレ経済への移行はとても困ったことです。働いている期間がデフレでリタイアして年金生活者になってからインフレなんて、なんか前世での悪行の報いなのだろうか。
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