自動化された天秤「直視天秤」(江頭教授)
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以前の記事で上皿天秤を紹介したのですが、構造が単純で分かりやすい代わりに、やはり扱うのは面倒な部分があります。特に分銅。管理が悪いと錆びてしまったり、軽い分銅が欠損していたり、なかなかやっかいです。
そこで作られたのが「直視天秤」というもの。見た目は今風の電子天秤と同じでサンプルを乗せる皿が一つだけ。天秤なのに分銅を用意する必要がありません。実は「直視天秤」の支点から向こう側は機械の中に隠されています。皿をささえる「うで」の部分だけが外から見えていて、反対側のうで、皿、そして分銅も外部から見えないようになっているのです。
直視天秤の分銅は機械の中に入れたままで、通常の使用では外に出すことはありません。機械の内側で上皿天秤と同様にサンプルと分銅の重さを釣り合わせるのですが、その動作をダイヤルの操作だけでできるようになっているのです。
21世紀になってすでに四半世紀が過ぎようとしてる今この時、直視天秤を使っているひとはあまり居ないと思いますが、昔は化学系の実験室で多く使われていた様です。