学生実験の今昔(江頭教授)
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化学の学生実験には共通した基本的な操作がいくつもあります。そのなかで重さを量る、というのは広く世の中一般に行われている作業で、化学の実験室でもやり方に余り変わりはありません。(使っている器具の性能は破格ですが。)
その一方で液体の「体積を測る」という操作にはいろいろなタイプがあり、そのやり方も化学実験独自のものと言えるでしょう。例えばピペットを利用して一定量の液体を取り分ける、という操作などは一般に生活している範囲内ではほとんど見ない操作ではないでしょうか。
本学工学部応用化学科の最初の実験「工学基礎実験Ⅰ(C)」(括弧内のCは応用化学の意味です)では、このピペットの利用法の実験があります。具体的には「ホールピペットで純水を計量して、その重さを量る」という作業を繰り返すもので、作業そのものは単純なものです。しかし、測定における誤差の考え方を学び、与えられた目盛を盲信せず自分でチェックする姿勢に触れる、という意味で大切な実験なのです。
実は私も学生時代、これと同様の実験をしていました。もう30年ほども前の事ですが、作業の内容はほとんど同じです。ただ、一点だけ大きく進歩したところがありました。そう、PCを利用したデータの解析です。