日記 コラム つぶやき

「『純水を飲むとおなかを壊す』という都市伝説(江頭教授)」に対する個人的コメント(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 先日の江頭先生のブログで「純水を呑むとおなかを壊す」という話しを取り上げられていました。「やっぱり私はやめておきましょう。君子危うきに近寄らず。敢えて毀傷せざるは孝の始めなり、ですよね。」ということで、江頭先生は自分で実験はされなかったようです。
 一方、片桐は学生時代にこの都市伝説を聞いて、実際に自分で人体実験をしました。結論から言えば、お腹を壊して下痢しました。その顛末の紹介です。

 飲用に供したのは当時でも少し古いといわれている、学生実験室の隅におかれていた、真鍮でできた古い「アランビック型蒸溜水製造装置」による純水でした。少し緑青が浮いていたことを憶えています。同種の蒸留水を作る装置は、今はほとんど使われていません。

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 その都市伝説を私に教えてくれた当時の分析化学のT先生の示した「お腹を壊す理由の作業仮説」は「水が純粋になれば、そのクラスターが大きくなり、腸壁から上手く吸収されなくなる」というものでした。今にして思えば、飲んだ時点で胃袋の中のいろいろな成分で純水ではなくなるので、そんな馬鹿なことはないとわかるのですが、まあ、そのときはだまされてしまいました。

 蒸溜により出てきた水分をビーカー(コップを使わないあたりが…)で飲むと…、金属臭が口に広がりました。その日の夕方、私はトイレにこもっていました。絶対まねをしないで下さい!

 

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「壁掛けテレビ」と「テレビ電話」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 TVドラマや漫画などで未来世界を描くとき、一時期は「壁掛けテレビ」と「テレビ電話」が必須のアイテムだったように思います。

 で、一時期ってどの時期?そうですね、私が子供だった頃ですから1970年代くらい、となるでしょうか。

 まずは「壁掛けテレビ」。昔のテレビは箱形だったのですが、これはブラウン管というガラス製で中身が真空の機器を使って映像を投影していたから。真空の中に電子のビームが送り込まれ、これが対面する表示部に塗布してある蛍光物質にぶつかって発光するという原理に基づいているものです。電子ビームが当たる位置、すなわち発光する位置を電圧で動かすので充分な移動距離をとるためにはそれなりの奥行きが求められたのです。

 でもこれは作る側の都合。利用者からすればTVは二次元の映像を映し出すための装置ですから、大きい画面のテレビが薄ければ薄いほど便利なわけです。いっそのことポスターのようにペラペラならが壁紙代わりに貼り付けるだけ大画面TVのできあがり、となる。でもそれはさすがに荒唐無稽ではないか。妥協案として額縁のような「壁掛けテレビ」が登場するわけです。

 さて、現在では「壁掛けテレビ」という言い方は一般的ではありません。正確には「薄型テレビ」となるのでしょうが「液晶テレビ」という言葉が一般的でしょう。「プラズマテレビ」も同じような使われ方をしたこともありますが今ではとんと耳にしません。液晶テレビも壁掛けされることはまれで、やはり昔のテレビと同様に自立しています。「壁掛けテレビ」という過去に作られた未来のイメージは大画面という機能の面では実現しましたが名称や形態の面ではすこし的を外した、ということでしょうか。

 「壁掛けテレビ」はまずまずとしても「テレビ電話」の方は大外れだったようです。

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「純水を飲むとおなかを壊す」という都市伝説(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「都市伝説」というのはおかしいかな。「研究室(ラボ)伝説」とでも言うのでしょうか。研究室で先輩から後輩に語られる話には大切な注意事項や奥深い教訓に混じって真偽不明(おそらく偽)なお話が色々とあるものです。

 私が学生のころに聞いたそんな「研究室(ラボ)伝説」の一つが表題の「純水を飲むとおなかを壊す」というもの。でもこれ絶対おかしいですよね。純水と普通の水の違いは微量の混合物があるかないか。主成分は水であることには変わりはありません。もちろん水が体に悪いわけはない。残りの微量な成分で問題が起こる、というのなら話は分かりますが、微量な成分がないことで問題が起こる、というのはどうにも考えにくいことです。
 それに胃袋に水が入った状況を考えても、胃袋が空っぽ、なんてことがあるのでしょうか。胃袋の中にはもともと胃液があって、それに混ざったら微量成分が無いことなんて関係なくなってしまうと思います。

 とは言えこれは机上の議論。科学者たるもの実験で確かめるのがあるべき姿でしょう。ここは純水を飲んでおなかを壊すかどうか確認するべきでは?

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飛行機の客室の温度はどのくらいであるべきか?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 以前「飛行機の貨物室の環境」と題して飛行機の貨物室の温度と圧力の測定値について紹介したことがあります(下の図)。水深測定用のセンサーを海外(例によってオーストラリアです)のフィールドに運ぶ途中、偶然スイッチが入っていたために温度と圧力のデータが取れた、という経緯なのですが、貨物室は 0.8 気圧程度に減圧されていて温度は5℃くらい、というのが私の結論でした。


 さて、今回は貨物室ではなくてずばり客室のおはなし。でもセンサーのデータを取ったというお話ではありません。耳寄りな情報、というよりは愚痴の類いかも知れませんがおつき合いを。

 3月の始め、日本はまだ春には早すぎますが、一番寒い季節はどうにかすぎたかな、というところでしょうか。これがオーストラリアに行くとなると夏の一番暑い時期はすぎたが、と反転することに。昨年の出張では40℃越えのフィールドで作業をするという過酷な状況でしたが、今年の気象情報では30℃代だと聞いてほっとした気分で出発しました。

 実際に現地に到着すると昼の気温が30℃代の中頃になるものの夜はちゃんと涼しくて過ごしやすい温度でした。数週間前まで熱波( Heat Wave )が来ていて大変だった、という話を聞くにつけ良いタイミングだったと思う次第。とは言え日本と比べればかなり暑いので服装もまったく違います。

 行った先のオーストラリアについてはそれなりの服装を準備して荷造りしてOK。でも日本からオーストラリアに移動する途中の飛行機ではどんな格好をしたら良いのでしょうか?日本から空港に向かうまではそれなりに暖かい服装が必要ですが、もし飛行機の中が暑かったらどうしよう。服を脱げば良い、といっても限度がありますし…。

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オーストラリアの SUBWAY で驚いたはなし(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 今回もオーストラリア出張のお話です。表題の「SUBWAY」は地下鉄のことではなくてサンドイッチのチェーン店のほう。日本にもありますから知っている人も多いかも知れませんが、オーストラリアにも展開していて今回はそこで昼食を取ったときのお話です。

 西オーストラリアの内陸部を車で移動中に Merredin という町で昼食を、という事になりました。内陸から移動してきたので久々のファーストフードということで SUBWAY に。さて、出張中はどうしても食べ過ぎになる(体を動かしていておなかは空くし、食事もおいしい)のでカロリーにきをつけよう。ということで少し小さめのサンドイッチを頼みました。SUBWAY はサンドイッチはお客の注文に合わせたトッピングを入れてくれるのですが、その代わりに注文が結構難しい。(英語で野菜やソースの名前を早口に言われても分からない!)。なんとか注文が終わり、ふとパネルにあるカロリー表示をみると「950」という数字が。

 えっ、こんな大きさでこんなに高カロリーなの!

と驚いたのですが…。

 

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オーストラリア版トイレットペーパー騒動(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 ブログの前回の記事にも書きましたが、私は3月1日から11日までの間、オーストラリアに出張中でしていました。この日程はちょうどコロナウイルスに騒ぎが深刻になってゆく期間に当たっていて、入国時はちょっと注意という感じだったものが、出国時には大きな脅威のように扱われる時期にちょうど居合わせたわけです。

 特に印象的だったのはトイレットペーパーの品不足です。

 私が出国する際、ティッシュやトイレットペーパーが売り切れになっている、というニュースが流れていました。フィールドワークに備えてウェットティッシュを買おう、と思っていたのですが近所の店では品切れ。オーストラリアに入ってやっと立ち寄ったスーパーマーケットで購入できました。

 さて、旅行の行程をこなしてゆき半分を過ぎたころ、オーストラリアのニュースでもトイレットペーパーの品不足が云々され始めました。そんなことが、と半信半疑だったのですが3月6日に立ち寄ったスーパーの様子は以下の通り。

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 さらに以下の様な断り書きが張り出してありました。

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オーストラリアに出張してきました(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 今月(2020年3月)の1日から12日まで、オーストラリアの植林サイトに出張してきました。12日と書きましたが実はオーストラリアにいたのは11日まで。機中泊で早朝に日本に到着する、という日程でした。

 さて、話題の新型コロナウイルスに広がりに対応して、3月15日からオーストラリア政府は全ての海外からの旅行者に14日間の自己隔離を要請しています。2週間ずれていたら飛行機を降りたところでそのまま隔離されて帰国、という状態になっていたところですが、今回は運良く全ての日程をこなすことができ、まずは一安心しています。

 以下の写真は帰りの空港の発着案内。中国行きの便が軒並みキャンセルされています。そのせいかどうかは分かりませんが空港はガラガラ。飛行機も空き席が多く、人と人の距離は優に 1 m 以上ある、という状態でした。

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研究会へ参加しました(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 このブログの内容を不用意に拡散しないように。一部分を取り上げて解釈しないように。必要なら必ず裏をとり、自分で確認してから、自分の言葉として発言しましょう。他人のことばに踊らされるのは危険です。

 

 3月7日に「研究実験施設・環境安全教育研究会」の「第9回環境安全研究発表会」が東京大学でありました。私も参加し、発表してきました。このコロナ騒動のさなかに、しかも安全関係の専門家の研究集会を強行するとは…なかなかに肝の据わったことです。例年に比べ参加者数は少なく、主催者の挨拶の「無観客研究会になるのではないかと危惧した」とのコメントもありました。すでに北海道大学や愛媛大学は不要不急の出張自粛(禁止)になっているようです。急遽、他大学の共同研究者により発表されたケースもありました。

 今回、私は「有機溶媒作業時にゴム手袋を使うことの危険性」という題目で、発表を行ないました。2018年度、2019年度のフレッシャーズセミナーで1年生の行なった実験結果を元に、再現性確認の実験結果を含めて発表しました。

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 今回の研究会では全部で12件の発表がありました。その中でO大学安全衛生管理部の先生のご発表「新型コロナウイルスに関する事実関係の解析とそれに基づく大学としてのリスク対応」というご発表は、皆の耳目を集めました。
 その先生いわく、「発表申込をした時点(1月下旬)では、正直こんなに大事になるとは思いませんでした」とのことですが、それでもこのような発表準備をされたという慧眼には恐れ入ります。「危機管理では最悪を想定する」という姿勢は見習いたくおもいます。
 O大学では、今回、2009年の新型インフルエンザ対策で購入していたマスクやアルコール消毒薬の備蓄が重宝し活用されているそうです。「10年もののVSOPアルコール消毒剤ですが、まあ消毒用なのでカビが生えたり腐ったりすることは無いと思います」とのことでした。また、不足した時のためにエタノール70%、塩化バンザルコニウム0.1%、グリセリン5%を水に溶かしたものを準備しているそうです。このグリセリン5%は「アルコールだけでは手荒れを起こすので、手への5%の優しさ」だそうです。大学の専門家の審査を通して今後使用する予定だそうで、今回の会合の会場にも持ってきておられました。

 私の発表ではうちの研究室のマスコットの「フッ素君」が登場します。いつもはいちいち説明しないのですが、今回だけは「この子はうちの研究室のマスコットのフッ素君です。コロナ君ではありません。」と紹介しました。

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片桐 利真

 

コロナ騒動 海外旅行が難しくなりました(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

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 3月5日に首相官邸は新型コロナウイルス感染症対策本部(第 17 回)の「水際対策の抜本的強化に向けた新たな措置」において、新型コロナ対策として検疫の強化を発表しました。https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/taisaku_honbu.html

 その主な内容は:

 

2. 検疫の強化(厚生労働省)

 中国(香港及びマカオを含む。以下同様。)及び韓国からの入国者に対し、検疫所長の指定する場所で 14 日間待機し、国内におい て公共交通機関を使用しないことを要請。

3. 航空機の到着空港の限定等(国土交通省)

(1)航空機:中国又は韓国からの航空旅客便の到着空港を成田国際空港と関西国際空港に限定するよう要請。

(2)船舶:中国又は韓国からの旅客運送を停止するよう要請。

4. 査証の制限等(外務省)

(1)中国及び韓国に所在する日本国大使館又は総領事館で発給された一次・数次査証の効力を停止。

(2)香港及びマカオ並びに韓国に対する査証免除措置を停止。

 

です。これにより3月9日からの帰国者は14日間、帰国後外出の自粛、公共交通機関の使用の自粛となります。自宅へ戻る人は良いのですが、ホテルなどに閉じこもる場合、その宿泊代金は本人負担になります。国は補償・補填してくれません。その隔離場所?への移動手段もレンタカーなどに限られ、準備していない人は空港から出られないそうです。大変な時間的・経済的な負担です これ以上、国内の感染者を増やさないためには、やむを得ない決断なのでしょう。しかし、社会的な影響の大きな決断です。人命を守るための人権の大きな制限です。大学でも中国からの留学生への影響など、その影響が懸念されます。


 まだ、日本のパスポートパワーの強くなかった1970年前代は、海外へ出かけることは大変なことでした。私は1972年に父の仕事の都合で1年間アメリカ合衆国に行きました。当時はクレジットカードも発達しておらず、また、持ち出せる外貨も限られていました。父は大変苦労したようです。今は、パスポートとクレジットカード(とお金に余裕)があれば簡単に海外旅行を楽しめる時代になっています(した)。

 今回のコロナ騒動はこのような気軽な海外渡航を妨げています。帰国後に14日間も足止めされると、学生生活や社会生活にさしさわります。3月のこのシーズンに卒論や修論を提出し卒業旅行を計画していた人は、海外旅行の計画がつぶれてがっかりしていると思います。なかには「何とかなるだろう」と楽観的に構えて旅行を強行する人もいるでしょう。でも、帰国後に足止めされてしまうと、日程は大きく狂います。コロナの流行していない国への旅行も油断はできません。「日本というコロナ危険地帯」からやってきた旅行者は入国を拒否されたり、海外で拘束・隔離されてしまう恐れすらあります。帰国できなければ、内定している会社に入社できなくなる恐れもあります。そして、日本国内でのコロナウイルス感染拡大が収束しても、世界的に見れば感染拡大はまだまだ続くと懸念されます。これまでとは違う時代になってしまいました。

 今回のような非常時でない平時でも、海外旅行へ行かれる学生さんは、それが家族旅行や友達との私的な旅行でも、大学や担当の教員に、あなたの海外旅行へ行く旨を必ず知らせておいてください。私的な旅行でのトラブルの場合、大学には直接助けられることはあまりありません。でも、アドバイスはできます。また、個人的に先方国での知人を紹介できます。必ず事前に大学への届出や先生への連絡をしておきましょう。それは学生という立場であっても、大学という組織に所属するメンバーの義務のひとつです。

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 このブログの内容を不用意に拡散しないように。一部分を取り上げて解釈しないように。必要なら必ず裏をとり、自分で確認してから、自分の言葉として発言しましょう。他人のことばに踊らされるのは危険です。

 

片桐 利真

 

試験と文章を書く力(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 大学の授業、学期の終わりには通常期末試験が行われます。学生諸君はどんな試験問題がでるだろう、と思い悩みながら授業の予習・復習に励むわけです。実は私たち教員もどんな試験問題を作ろうか、と思い悩むわけです。

 試験問題のスタイルはいろいろ。〇×式の問題、選択肢から選ぶ方式、穴埋めで語句や数値を入れるスタイルなど。中にはマークシートを独自に準備して試験をされる先生もいらっしゃいます。

 これらの出題形式のメリットは明らか。採点がやり易いことです。ほぼ機械的に採点できるので、学生数の多い授業などではよく用いられる形式かもしれません。デメリットは問題に回答する思考の過程を見ることができないことでしょう。

 学生の思考を確かめる、という意味では文章題が良いでしょう。学生諸君は単に結果を示すだけではなく、どうしてその結果になるのか、その過程をも示すことになります。文章題の回答は、ある意味では自分の主張「答えは○○である」を示すための簡単な作文だ、ということもできるでしょう。

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